ゴルフレッスン(スイング編) - ゴルフの基本についてレッスン

ゴルフスイングの基本をしっかりと理解する

ゴルフを始めた当初は、まずはボールを打とうと必死にクラブを振り続けてしまう。 空ぶりばかりのスイング、当ててもまったく飛距離がでない、当然ラッキー球以外は真っ直ぐいかない。 そんな初心者時代は、しっかりとゴルフのスイングとはどういったものなのか、確実に知識として 理解する必要があります。


スイングの過程にはちゃんと要所要所で名前があり、そこには役割や意味合いがあること。 それを知ることは、ゴルフを行う上で基本中の基本といえます。 ボールに当てるだけの単純なスポーツに見えてしまいがちですが、何よりも繊細な思考が必要で、 試行錯誤の繰り返しが要求される奥が深いものだと認識しましょう。


まずは「アドレス」と呼ばれる「構え」についてです。 ボールのセット位置、クラブの握りの強さ、フェースのセット、自分のスタンスの幅、フォームの調整、精神の安定。 打つ前の行為という他愛もない当たり前のことですら、とてつもなく考える事項があるのです。


ボールのセット位置一つでも、教科書通りのマニュアルが存在し、 クラブの種類によって自分の立ち位置からどれくらいの距離・角度に置くことが理想なのか、 そういった基準が存在します。ドライバーでは、ティーと呼ばれる「ボールを高く位置させる道具」 を使用しますが、その高さ調節でも、数センチ単位のずれでスイングのやりやすさがまったく変わってしまう ことすらあるのです。


クラブの握りは「グリップ」と呼ばれ、握りかたもスクエアと呼ばれる王道の握りから、 左曲りになりやすい「フックグリップ」と呼ばれる特殊な握り方など、自分にあった握り方を見つけることが 必要となります。しかし、握り方は最初に決めてしまえば、以降はなるべく変えてはいけません。 このグリップの握り方でも、スイングの軌道、さらに弾道まで大きく変わってしまうからです。


たかが握り方一つとなめてはいけません。人それぞれ自分のやりやすさは存在するものの、 「慣れ」という学習機能が存在します。たとえやりにくいフォームでも、それを繰り返し続けていけば、 なんだかんだでそれが「やりやすい」と感じるようになります。 その慣れをリセットする行為において、一番危険であり、後々のリスクが高いのが、「グリップの変更」になります。


クラブをあげて、振り下ろして打つ。このスイングの流れの根本を支えているのは、足でも腰でもなく、 グリップ(握り)なのです。その根本を変えることの恐ろしさは、経験すれば必ずわかります。 管理人も当時、うまくいかずにグリップの変更を検討した時期がありました。 しかし、後々に後悔しました。それは、変更したグリップがうまくいった場合は問題ないのですが、 うまくいかなかった場合、元に戻す事が非常に困難だったからです。 これは精神的にも相当なダメージがありました。ダメだったら元に戻せると安易に考えてしまっていた・・というのもあります。 とにかく、グリップの選定は最初が肝心です。握りやすさなのか、振りやすさなのか、自分がしっくりくる握り方を見つけましょう。


アドレスでしっかりと準備ができれば、いよいよスイングの始動です。このクラブを始動してフェースが最高点まで達するまでの 過程を「テークバック(バックスイング)」と呼びます。テークバックでは、実際にクラブを持ち上げる(引き上げる)うえで、 その最高点までの持っていきかたに人それぞれ独特なスタイルをもってしまいがちになりやすく、注意が必要です。


たとえば、引きはじめで極端にコック(手首を使用すること)してしまい、最高地点でクラブがアップライト(フェースが90度近く上を向いた状態) になってしまったり、逆にコックをまったく使用せず、あまりにも水平な状態で最高地点(折り返し地点)を迎えてしまったり。 さらには、テークバックの速度も、千差万別です。速度については、早ければよい、遅ければよい、そういった明確な正解は存在しませんが、 トップ(最高地点)のクラブの状態においては、明確な正解というか、こうあるべき姿という理想の形は存在します。 それは、スイングの理想の軌道ライン(スイングプレーン)に乗った状態であること。 最初の時期は深く考える必要はありませんが、後々は必ず意識しなければいけなくなります。 プロのスイングフォームを後ろから見てみると、その美しいラインにそったテークバックの凄さに気づくはずです。


さて、クラブにばかり目を奪われがちですが、それはあくまである程度打てるようになってからの段階です。 私的にテークバックで一番重要だと考えるのが、体の重心です。初心者時代は、まず体のフォームが安定していないため、一回一回のスイングでまったく体の重心が定まっておらず、ブレブレの状態です。そんな状態では、打球も安定するはずがありません。 したがって、クラブを引く際に体の各部位を的確に頭で意識して行う練習が最重要事項といえます。


まずは、足です。体の右足にどれくらいの割合で重心を移動させるのか、この体重移動をシフトウエイトと呼びますが、 スイング全体を通して、このシフトウエイトが安定性、さらには力強いショットへと繋がるキーポイントになります。 右に振り上げるわけですから、必然的に重心は右におくことが当たり前に思われがちですが、 その割合がけっこう難しいのです。右にかかりすぎると、そのあとの振り下ろしで右にウエイトが残ってしまいがちになり、 柔軟なシフトウエイトの妨げになります。逆に、割合が少なすぎると、ショットの力強さがなくなってしまったり、 左に重心が移動しすぎてインパクトから終わりの姿勢(フィニッシュ)にかけて左の軌道を描いたスイングとなり、 結果は左曲りのフックショットになってしまったり。 ここは何回も練習を行い、自分で感覚を身につけていくことが必要不可欠といえます。


あとは、腰にも注目しなければいけません。腰が水平に右に流れしまうスエーという現象。よく耳にする言葉ですが、 それは、初心者時代にはテークバックで最もやってしまいがちな「「ミス行為」だからです。 腰が右に流れると、当然体の軸が動いてしまうことになりますから、スムーズなスイングを行うことはできません。 体の軸は絶対にぶれてはいけません。これは、ゴルフのスイングという点において、絶対的な正解といえます。 アドレスでセットした状態から、決して一本軸を動かしてはいけない。まずはそう覚えておきましょう。


そして、次にトップと呼ばれる折り返し地点(最高地点)です。 トップの状態でテークバックの良し悪しがわかります。そういった指標地点ともいえますね。 クラブの角度、フェースの向き、手首(特に手の甲のむき)など、このトップの地点で自分がどういった 形のフォームをしているのか、ビデオカメラや写真でチェックすることをお勧めします。 自分では見えない部分なだけに、見る見ないではそのあとの上達度合がまったく変わってきます。


しかし、トップで一番意識しなければいけないことは、そこが折り返し地点だということ。トップでの意識の違いにより、 その後のスイングフォームに大きな影響を与えます。 たとえば、トップで「何も考えない」というのと、「インパクトまでは左手に力をいれて引っ張る」と意識しているのでは、 まったくといっていいほど弾道が変わってきますし、何より練習の質が上がります。 ゴルフは、イメージが重要なスポーツとよく言われます。そのイメージ(意識づけ)を行うことが一番必要なのが「トップ」であると、 管理人は常にそう考えて練習しています。 この意識づけでのポイントは「左手」と「左足」です。 左手で引っ張る、そして、左足でシフトウエイトをコントロールする。 詳しくはカテゴリーの別記事を参照してもらえばわかりますが、とにかくこの二つが重要であることは間違いありません。


トップでの意識づけを実行するのが、次の「ダウンスイング(切り返し)」という過程です。 ここは、ボールに当てるまでの最終局面ですので、重要だということはは言うまでもありません。 では、どんな要素に気を付けなければならないのか。その前に、ダウンスイングは「テークバックと同じ軌道を描くことが理想」 という大前提を意識しておきましょう。ゴルフスイングは簡単に言えば振り子です。右から左、左から右と同じ弧を描くことが 理想といえます。しかし、人間なので、完全に同じようには毎回うまいこといきません。 その理想に少しでも近づけるために、こうしたらこうなるからこうしたほうがよい、といった理論が存在するわけですね。


ある程度トップの地点で意識づけは行っているので、ダウンスイングはそのイメージに沿って体を動かすにすぎません。 そもそも、ダウンスイングという高速な動きの中で、何も考える余裕などありませんよね。 ただし、力加減という点においては考える必要があるかもしれません。 というのも、力はまったく必要ないからです。これは本当にそうなのです。


遠くに飛ばしたい欲求から、ダウンスイングではついつい手に力を入れてスイング速度を上げてしまいがちになりますが、 それはNGなのです。試しに、思いっきり弱い握力と腕の力でスイングしてみてください。 弱いときのほうが飛距離のアベレージは高くなるはずです。これは、自然の法則があるからです。 フェースの重みにより、ダウンスイングではその重力に任せて振り下ろせば、勝手に物理速度は上がり、 クラブの番手特有の長さと重さで飛距離はでるようになっています。 逆に力を入れてしまうと、その自然の法則にテコをいれる形となり、ある程度の上級者でない限り、 そのテコ入れが邪魔になってしまうのです。


ヘッドスピード(スイングの速度)を上げれば飛距離は上がりますので、そのために力加減を利用することはありますが、 これについてはそれなりの上級者が向上心から探究することであって、 まだスイングが定まっていない段階ではまったく考えなくてよいです。


次に、ボールにあたる瞬間を「インパクト」、そしてボールに当てた後のクラブの軌道を「フォロースルー」、 最後の自分のフォームの状態を「フィニッシュ」と呼びます。この「終わり」の過程は、今まで積み上げてきたスイングの最終地点ですので、 特にこうすべきということはありませんが、重要な意識として、ボールの見方と、目線の動きに注意しましょう。


ボールの見方と言われても、ボールは見るものなので、当たり前のことを言ってるように思われるかもしれません。 ここでいうボールの見方とは、ボールの見る位置、そして、見続けるということ。 ボールを当てる瞬間はボールの真ん中ではなく、ボールの側面を見るようにしましょう。 目は体の動きと連動しています。ど真ん中を注視してしまうと、ボールを上から潰すようなインパクトになってしまう恐れがあります。


そして、フォロースルーの状態になっても、ボールを見続けるという意識をしっかり持つこと。 これはけっこう重要です。フォロースルーでは既にインパクトを迎えており、ボールはすでにセット位置にありませんが、 「インパクトしてからボールからすぐに目をそらさない」という強いイメージが必要だということです。


プロのスイングフォームを真正面からよく観察してみてください。フォロースルーの状態に入っても、 目(顔)はまだ下を向いた状態になっているはずです。 そして、徐々に目が飛球線のボールを追いかけるような目線の動きになっていることがわかると思います。


初心者がやってしまいがちな事として、「インパクト直前にすぐに目線が飛球線を向いてしまう」というのがあります。 そうしてしまうと、正しいインパクトが迎えられず、さらに頭がボールにあたる瞬間より前に左を向いてしまい、 そうなると体が左に流れやすくなり、カット軌道のスライスショット(右曲り)になる可能性が高くなります。 ボールを見続ける、さらにはボールに当てた後も一時は頭(目線)は動かさない、そう理解しておきましょう。 インパクト後に水平位置(地上から90度地点)にクラブが来た時点でも、まだ頭は下を向いているぐらいが丁度良い理想の フォロースルーといえます。


フィニッシュについては、その終わりのフォームの状態をみることで、スイングの指標となります。 たとえば、フィニッシュが左に傾いていたら「シフトウエイトが左に流れすぎている」といった具合に。 体の軸がブレることなく、シフトウエイトがしっかり行われていれば、 フィニッシュは背筋が伸びて直立に、顔は真っ直ぐ前を向いており、周りから見てもキレイなフォームになっているはずです。 フィニッシュをみれば、その人のレベルが分かるといっても過言ではないかもしれません。


ゴルフスイングの各過程を、簡単に述べてみましたが、もっとたくさんの理論があったり、こうしたほうがよい、こうしたらダメという ものがたくさんあります。それは、本当に正しいのか、正直やってみないとわかりません。その人にとっては良いことでも、 違う人にとってはしっくりこない事も多々あります。まずはやってみること。そして、試行錯誤を繰り返して、何度も練習していくうちに、 おのずと自分のゴルフ理論が確立していくはずです。そうなると、けっこう面白くなってきます。 野球のバッティングセンターのように、「当ててスカッとしたい!」というストレス解消と思ってゴルフを始めると、 痛い目にあうことになりますのでご注意ください。

Golf Basic Lesson

ゴルフは難しい。そして奥が深すぎる。
「ただ当てればいいだけ」という安易な考えは一切通用しない。
人それぞれ色んな独自の手法、考えがあり、何が正解ということはない。
経験を通じて得た「私的ゴルフ理論」をお伝えしていきます。